人工脂質膜を用いたにおいセンサ

・においセンサとは. . .??

 文字通りにおいセンサとは、においを測定するセンサであるが、その測定方法は未だ確立されておらず様々なセンサの中で最も研究・開発が遅れています。 またにおいに含まれる物質は10万あるいは40万種類ともいわれており、このこともにおいセンサが実現困難とされる理由のひとつです。

 においを測定し識別できるセンサが実現されると、その用途は多種多様で様々な応用が期待できます。 食品分野や化粧品分野の製造工程管理や品質管理など、またにおいの定量化ができれば消費者のニーズに合った新商品の開発も可能となり、消費者が購入する際の選択の目安にもなります。 将来的には、人型ロボットの鼻に利用したり、においがでるテレビなどといった様々な応用も夢ではなくなります。 さらに、現在問題となっている環境ホルモンなどの有害化学物質の迅速な検出といった環境センサや、地雷などといった爆発物を高感度で検出するセンサへの発展などが考えられます。

・人におけるにおい受容


 上の図で示すように嗅細胞の表面ににおい物質が吸着すると、におい物質のにおい情報は電気信号に変換され、 嗅神経を通して脳へ送られます。これが生体におけるにおい受容の仕組みです。また、におい物質を受容する細胞膜は たんぱく質と脂質で構成されており、これらがにおい物質を受容していると考えられています。本研究室では、これらのうち 脂質を用いてにおいセンサを開発しています。

・人工脂質膜を用いたにおいセンサ

 本研究室のにおいセンサはISFET人工脂質膜を組み合わせたものです。 本研究室で開発し紹介している味覚センサを応用したもので、下ににおいセンサの簡単な模式図を示します。このにおいセンサは、人工脂質膜ににおい物質が吸着すると膜表面で電圧の変化がおこり、それによりにおいを感知するという仕組みになっています。
back